ディスティニープランがもたらす合理性と現代社会へのメリット デメリット
どうも、モノリスです
皆さんは機動戦士ガンダムSEED DESTINYというアニメをご存知でしょうか?
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(きどうせんしガンダムシード デスティニー、MOBILE SUIT GUNDAM SEED DESTINY)は、「ガンダムシリーズ」のテレビシリーズ。『機動戦士ガンダムSEED』の続編として製作され、2004年10月9日(一部地域は同年10月16日)から2005年10月1日(一部地域は同年10月8日)まで、MBSを製作局としてTBS系列で全50話が放送された。
今回はこのアニメ終盤で描かれるシステム「デスティニープラン」について、現代社会に当てはめて考察していきたいと思います
そもそもデスティニープランとは
生きている人類全員の遺伝子を集め、遺伝子情報から職業を選定する
という敵側の社会構想です
最終的に、このことに主人公側は私たちの人生を遺伝子で決められることは嫌だということで発案者と対立、母艦もろとも破壊してHAPPY ENDという流れです
この考え方を現代で当てはめると、就職サイトの性格診断や適性検査に当てはまります
何個かあてはまる項目を回答していき自分の性格からおすすめの仕事を選ぶというのはまさしく簡易版デスティニープランのようです
で、私はこの考え方はとても合理的であると思いました
しかし、それと同時に合理的ではあるが疑問に思う部分も浮かびました
ディスティニープランが合理的な理由
自分のことを理解できなくても遺伝子で判断してくれる
人が自分の特性を理解できていないというのは多くの人が当てはまるのではないでしょうか
自分が好きなことはわかっているが、どういったことが苦手でどういったことが得意なのかがわからないって人が多いと思います
周りの友人の中にコミュ障ですといっているひとがいるのですが、会社周りではガンガン話せるような人がいます
これはある意味行動と思考の不一致であり、このような人ってとても多いと思います
結局自分のことって自分ではわからないです
他人からアドバイスされても果たして正しいのかどうかはわからないです
そうであるなら遺伝子に私たちの職業選択を任せるということも良いのではないでしょうか?
そうすることで自分の性格を考えず、システムに従って自分の能力を生かすことができます
人間は選択肢が多いと決めにくい
複数の選択は人間には難しいです
ある実験で3種類の商品を選ぶことは簡単に選ぶことができるのですが、10種類になったとたんに選択することにとても悩んでしまって、最終的に買わないという結果を選んだ人が増加したようです
つまり、人は多数の選択が苦手であるということです
日本の就職ではとても多くの種類の職種から自分に合うであろう企業を選んで就職していきます
実験の例で考えるなら、もし掲載数が何千社もある企業をすべて見て判断すると選ぶことをあきらめてしまう可能性があります
日本の企業の新卒3年目の離職率が3割くらいあることからも、たくさんあり過ぎて本当に吟味して会社を選ぶことができずに適当に選んでしまったと考えると納得がいきます
それを遺伝子で判断すると自分の特性を考える必要もなく、就職先も選ばれた会社に入ることが適正となれば、私たちは悩む必要もなく自分の道を進むことができるのではないでしょうか?
子供時代の教育を分野特化することができる
遺伝子でその人の人生を決めるということは、教育にも変化が訪れます
今までのような集団で同じ授業を受けるということが不要になるからです
今の学校では理系文系選択で授業を変更するシステムがあります
これが幼稚園児からその人に合った教育システム別に振り分けるようにすることで、より分野に特化した能力を身につくことができます
運動神経がとても高い子供であれば小さいころからスポーツをさせて、いずれはTOPプレイヤーになれるように教育する
というと最近のスポーツ選手の教育として取り上げられる話だと思います
それができるのなら、もし営業の能力を遺伝子的にできると判断されるなら、その人の子供の頃の訓練を営業の力を身に着けるような教育をする
技術系なら技術的な能力を高めることを子供時代から教育する
このようにこともを教育し、適切に企業に配置することができれば、会社はより多くの利益を出せるのではないでしょうか?
自分が向いていることがわからない、他人よりも圧倒的に劣っている
逆に自分の人生をある程度絞ることで自分のことで悩むことなく、仕事を選ぶことはいいことだと思います
ディスティニープランの疑問点
倫理観の問題
倫理観の問題でこの話は人間がやることではないと考える人もいると思います
これは機動戦士ガンダムSEEDの世界観からも出ているのですが
遺伝子配列を変更して、通常の人以上のスピードで様々な才能を開花させるコーディネーターと普通に生まれたナチュラルの差別意識がガンダムSEED世界の戦争のきっかけになっています
人類は品種改良を行っているように遺伝子組み換えをすることを簡単に行えるような技術を手に入れました
果たして人類の勝手な思惑で遺伝子情報から、人の運命を選択することが良いことなのか疑問が上がります
人間の特性は後天性にも存在する
人間の性格は先天性な点と後天的な点が存在しています
親からの性格を受け継いだものを先天的
環境や教育によって出来上がるものが後天的
遺伝子情報のみを判断基準とすると、環境や教育で変化した後天的な性格を判断材料にできないことがデメリットになりうることがあります
人間の性格形成は先天的50%、後天的50%くらいで形成されるといわれています
ひとりひとり人生を振り返ってみると、過去の経験から性格が作り上げられていくケースってとても多いです
話したときに馬鹿にされてしまったからコミュ障になる
自分のことを否定され続けたから内向的になった
なんてことは人生生きていたらよくあることです
こういった後天的な要素を含むことができないがために果たしてその人にとって正しい道を示すことができるのか疑問点が残ります
未来が決まっていることは逆転もできない
もし、自分の運命が決まっているとすると、たとえ後天的に能力を発揮できたとしても決められた自分の身分で一生を送ることしかできなくなります
江戸時代の身分制度に近いものがあります。判断材料が生まれた環境なのか、遺伝子で判断するかの違いがありますが、似たような状態になります
もし、ある人がスポーツで優れた才能があったが、のちに勉強をして科学者としても才能があったのしても、その人はスポーツの世界でしか生きることができません
未来が決まった運命になったら、やる気を失って頑張ろうという意欲が失われます
そうなってしまっては人としての尊厳はどこに行ってしまうのでしょうか?
まとめ:ディスティニープランはやりすぎだが、未来の可能性を示したシステム
このように、ディスティニープランはある意味で人間の悩みである就職先の選択から解放してくれます
しかし、どんなシステムにも弱点があるようにいい意味での人間らしさを失ってしまうという致命的なデメリットも存在します
現代のように自分の性格診断で自分の得意な職業を把握する程度がいいのかもしれません
ですが、子供のころに行われ自分の特性を知ってそれに力を入れることは未来的にはていくのではないかと思っています
遺伝子で判断するよりも自分の判断で決める。でも自分の判断基準をより確固たるものにするためのツールとして性格診断を使うようになれば、これから先就職の不安が無くなる世界も訪れるかもしれません
そんな世界が来ることを祈って締めさせていただきます